「照明」と言うと、みなさんはまず何を想像されるでしょうか?一般家庭の照明から、大規模な舞台照明や建築物などを照らす照明を想像された方もいると思いますが、規模の違いこそあれすべてに共通しているのは、照明とは読んで字のごとく対象物を「明るく照らす」と言うことです。(舞台照明などでは光自体を見せることもある)
では、「明るく照らす」ためには何が必要でしょうか?現在は主に電灯による人工照明を使用していますが、エジソンが電球を発明するまでは、太陽光や篝火などしか照明手段はありませんでした。(古代エジプトの壁画に電球らしきレリーフがあるらしいが・・・)
「HOME」の舞台用語集の「上手・下手」の項で「東西と言うこともある」というのはそのころの名残で、北半球において太陽の方角はおおむね南なため、光源を太陽と見立て、光源(この場合は前あかり。すなわち客席側から舞台に向けて当てるあかりのこと。)の方角を南として舞台を中心に考えると、客席(南)から舞台に向かって右は東、左は西と言うことになります。そのため、舞台の左右方向を「東西」と言う呼び方が現在でも残ってるのです。(とは一概にはいえないが、おおむねそんなもんだと思っといてください。詳しく知りたい方は、遠山静雄先生の「舞台照明学」を紐解くとよろしい。高価な上、現在では入手困難かもしれないけど・・・。)
余談が長くなりましたが、この「照明」のコーナーでは主に舞台照明に絞ってお話をしようと思います。
音響の世界は、アマチュアの方たちにも比較的なじみが多い部分もあると思いますが、舞台照明に関してはなかなか触れる機会がないと思います。視覚的には目に見える物なので分かりやすいのですが、いったいどうやってそういう効果を出しているかは分かりづらいのではないでしょうか?
ここでは、小屋照明の仕事の流れからその実際、また各種機材等の説明、はたまた照明スタッフとの上手なつきあい方などを述べようと思います。
照明の仕事 調光卓周辺 スポット 効果器具 カラーフィルター 電球