重量物の吊り方

手引きバトンがアンバランスの場合、一人で操作できるのはせいぜい20〜30kgまでです。
別の項で「手引きバトンには、200kgぐらいまで吊ることができる。」旨のことを書きましたが、果たしてこんな重量を手引きでどう吊り込むのか?
綱元で、綱にたかれるのは2〜3人がいいとこです。2〜3人では(一人70kgとしても)とても200kgは無理です。
ここでは、そんな時の吊り方について説明します。




この時のロープの結び方は、「鉄管結び」にします。結ぶ場所は、バトン自体の吊り点付近にします。
必要に応じて、2〜3ヶ所結ぶとよいでしょう。


吊り込む物の重量に見合った枚数の鎮を積み込みます。


この作業が、一番危険な作業です。綱元と舞台側ロープとで声を掛け合いつつ、息を合わせて作業します。
この時、バトンがかなり前後左右に揺れるので、他の吊り物に引っかけたりしないように注意します。(場合によってはバトンが曲がってしまうこともある。)
バトンが降りきったら、舞台側の担当者はバトンにぶら下がります。(決してバトンの上にかぶさらないこと。もしバトンがとんでいってしまった場合、大けがをする可能性がある。)
綱元側の担当者は、ストッパーなどで引き綱を確実に固定(「ころす」という)します。
固定できたら、舞台側担当者に声をかけます。


ロープをはずして、吊り物を吊り込みます。
バトンをとばす際には、引き綱の張り具合をみてバランスが取れているのを確認してからストッパーをゆるめます。



と、手順をご紹介しましたが、最近日本照明家協会では、この方法は推奨していません。
バトンを降ろした段階で吊り物を吊り込みつつ、すのこ(ギャラリー)で鎮を積んでしまうのです。
ギャラリーがあり、そこで鎮を積み込める小屋の場合には大変有効な方法です。
が、そのような設備のない小屋や、鎮をギャラリーから落下させる可能性、また作業をしている人自身がギャラリーから転落するなどの危険性もあります。安全帯の着用励行や、鎮落下防止等の安全対策が必要です。(小屋での安全帯常備も必至)



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